adworld’s diary

広告、アドテクについての情報を発信していきます。

リタゲ広告の雄 Criteoのパフォーマンスを分析してみると将来が明るくない件

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Criteo というリタゲ広告の雄と言われている企業は、safariの3rd party cookieに対しての厳しい措置の影響を受けて、一時期株価が下がっていましたが、実際どのような企業のか?

adworld.hatenablog.com

 

Criteoの2017年1Qの結果は?

criteo.investorroom.com

 

  • Criteo Reports Strong Results For The First Quarter 2017

  • Revenue increased 29% (or 30% at constant currency1) to $517 million.
  • Revenue excluding Traffic Acquisition Costs, or Revenue ex-TAC,2 grew 29% (or 30% at constant currency) to $210 million, or 41% of revenue.
  • Adjusted EBITDA2 grew 16% (or 18% at constant currency) to $56 million, or 27% of Revenue ex-TAC.
  • Cash flow from operating activities increased 134% to $44 million.
  • Free Cash Flow2 increased 136% to $16 million.
  • Net Income decreased 22% to $15 million, driven by the accounting impact of the HookLogic, Inc. ("HookLogic") acquisition.
  • Adjusted Net Income per diluted share2 increased 6% to $0.46.

収入は29%上がり1Q売上5.1億ドル。提携サイトに支払う金額を抜いた収入の成長率は30% で2.1億ドル。EBITDA(税引前利益に、特別損益、支払利息、および減価償却費を加算した値)の成長は16%。

キャッシュフローは134%増えて4400万ドル。設備投資額などを引いたフリーキャッシュ・フローは1600万ドル。

当期純利益は22%へって1500万ドルは、hooklogicという会社を獲得したことによるインパクトが大きかった。

 

2016年に買収したhook logicとはどういう会社なのか?

すでにhttp://www.hooklogic.com というドメインはCriteoにリダイレクトされるようになっており、記事 CriteoがHookLogicを買収へ|CRITEO株式会社のプレスリリース によると、ウォルマート、bestbuyなどのブランド向けパフォーマンスマーケティングツールとして利用されている。例えば、ウォルマートで検索した結果に対してブランドの商品を入札できるような機能を提供していた。(今はcriteoに統合されている)

www.criteo.com

www.cpcstrategy.com

 

売上とクライアント数について

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広告主が増えることで、売上が伸びるわかりやすいモデル。であり、現在は世界で15000以上の広告主を持ち、数千のパブリッシャーと直接取り引きをしている。

 

社単について

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一社あたりの社単は徐々に下がっているが、35,000USD (Qで350万円程度ということは月は月換算では平均120万JPY 程度の売上になっている)

Q4が高いのは11月のCYBER Mondayの影響だろう。この社単が一定というのは、気をつける必要があり、効率性がよかったとしても、Criteoにかけるコストが右肩上がりで増えているわけではないことがわかる。

 

地域別売上構成について

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Criteoの地域別売上構成でいうと、ASIA,EMMA,APACそれぞれが伸びており欧米が売上比率がたかいものの3等分された美しい構成になっている。

 

POINT

社単は一定でありながら、契約企業が増えていくことで、売上が伸びていく素晴らしい会社であり、地域別のバランスもとてもいいようにも見える。

 

ただし、前述通り、社単が上がっていないということは危機的で、企業の獲得系予算がCriteoに対して一定以上は増えていないのはリスクと考えられる。また3rd party cookie問題やadblock問題など、様々な外部要因も多いため、安定的な成長はあっても、爆発的な伸びに対してはマーケットの開拓次第であり、より効率のよい広告商品開発に集中する必要がある。

 

参考

marketing.itmedia.co.jp

TAC(Traffic Acquistion Cost )とは

www.slideshare.net

 

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twitter 売り上げ鈍化だが、サービスは改善され気味?

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IRから、twitterの現状を眺めてみると、いい兆候が見えなくもない。

investor.twitterinc.com

 

まずはmonthly Active users

+6%をkeepしているのもあり、これは他のサービスに比べると成長率は低いが、2006年に誕生したサービスが未だに6%のびているのは悪い傾向ではなさそう。

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DAILY ACTIVEユーザの昨対成長率

2016Q1がどんなにだめなんだ?という話と、これを実数でださずに昨帯でのみ表示させているのが、少しまゆつばものですが、Daily active userの成長率も昨対14%。

ただし、active userの定義が曖昧なので、要注意。postやfollowする人も含まれているのか?ログインした人となっているので、オートログインが多ければ、この比率はあがりそうです。

daily active usage as Twitter users who logged in or were otherwise authenticated and accessed Twitter through our website, mobile website or mobile applications on any given day.  

 

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Quarterly RevenuはYoYで鈍化。Data licenceは微増。

地理別の売り上げ

USでの売り上げが下がって、他の国はそこそこ堅調か?アメリカで飽きられてきているのだろうか?

 

GAAP TO NON-GAAP

Research&Developmentが Restructuring changeに一部変更になったりと、

全体的に開発とマーケティングでコストカットが行われている。

 

まずは利益をつくりために、大きくなったサービスをリストラなど進めて、収支を改善しているようだ。

 

関連記事

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Google(alphabet) のIRと、Google Japanの売上規模について調べてみた

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Google のIRより参考。abc.xyzというドメインが素晴らしいですね。

https://abc.xyz/investor/pdf/20170331_alphabet_10Q.pdf

 

地域別の売上構成でいうと圧倒的アメリカ。

EMEAはヨーロッパおよびアフリカ、アジアはは14%と売上のshareが低いことが分かる。

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ではアジアの売上構成を見てみると?

 

 

3ヶ月の売上は全体で約250億ドル、Asiaは35億ドル、成長率は約30%

 

では、GDNなどを通して、プロバイダーに支払わる金額はというと、

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世界全体でGDNのメンバー、これは主にはPublisher向けに約3000億、インフラ周りに2000億程度支払っているそう。

 

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まとめ

APACの規模はどんどん増えているが、中国ではほぼビジネスをしていないとすると、

GDPなどを考えると約5割は日本での売上になるのでは?と考えるとGoogle Japanの売上は3ヶ月で1500億くらいは売上でているのでは?と思われる。2年前では、年間売上高3000億、従業員1000人と以下、記事で書かれており、妥当性があると考えられる。

 

参考

toyokeizai.net

 

safariのcookieポリシー変更により、Criteoの株価が約300億円吹き飛ぶ

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safari のdesktop browserの規約変更をappleがアナウンスしたことでCriteo(Nasdaq)は300億円ほど、株価が下がった。

 

これは直近55USDから45USDと約10%株価を落としたことにより、6/13時点で約30億ドルとすると3億USD = 約327億円失ったことになる。

adexchanger.com

 

この理由として、考えれているのが、WWDC 2017で発表されたIntelligent Tracking Prevention(ITP)という機能。

www.gizmodo.jp

 

要するに

3rd party cookie は1日以内しか保持されない。

1st party Cookie自体は30日以内しか保持されない。また会わせて自動再生動画広告もブロックすることになる。

http://www.gizmodo.jp/images/2017/06/170607_intelligent_tracking_prevention.jpg

appleの記事より索引

 

これにより、

計測および、リターゲティング用cookieが保持されなくなることで、

retargeting 広告で、かつ動画広告に強い会社は特にmac PCのユーザについては効果がでなくなるために、リターゲティングの代表格であるCriteoは株価が大きく下がっているのも頷ける。

 

Analytics まわりでも3rd party cookieが使いづらくなることで、1st party cookieを使わない計測ベンダーはかなりまずいことになると考えられるが、一方で、これがchromeIE、またiphoneで準拠されるのか?といったところは、まだわからず、ただ単にappleが独走する可能性もある。

 

参考

blog.admage.jp

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facebook,Google広告のCPC/CTRのトレンド 

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広告のCPCやCTRの業界平均やmedia平均はほとんど公開されることない。

 

なぜなら変動が多いのと、広告のクリエイティブや、業界や、季節によってもかなり異なる。広告代理店と話すと、ざっくりとした情報は聞くことができるがこれも大手でなければ、あくまでも担当している広告主のみのデータになるため、俯瞰したデータを探すのは難しい。

 

Facebook CTR/CPCは?参考

CTRがGlobalで改善中。YoYで33%の改善。

PC/SPなのか?といったところは分からないがアルゴリズム * UX改善の成果がでている。CommerceのCTRが高いのは、Dynamic広告が増えていることで、Retargetingに近いCTRが発生していると考えられる。GameはRetargetingが弱いためか、パフォーマンスが悪くなっている。

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CPMはYoYでは改善 8%あがっており。Q4が高まっているのは年末商戦における入札競争激化によって高まっているのでは?と考えられる。

Ecommerceが下がっているのは、CTR改善によって、CPCが下がることによって、CPC * CTR = eCPMにより、下がっているのではと考えられる。gameがあがっているのは?注意深くみる必要がある。

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CPCは全体として下がっているのは、クライアントとしてはうれしいことで、

facebookがメディアの性能、ターゲティングがからUXまで改善して、クリック数が増えたことで、下がったのでは?と考えられる。

gameのCPCとCPMがあがったことには相関性がありそう。

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Google  のCTR/CPC

  • Google Adwordsの業界ごとのデータ
  • SearchとGDNでも異なるが、Date系業界のCTR は全体的に高い。
  •  

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  •  CPCについては、Legalが高いといったのは、訴訟天国アメリカといったところだろう。date系はCTRが高いからなのか、CPCが安めになっている。

  • http://www.wordstream.com/images/adwords-industry-benchmarks-average-cpc.png


    www.wordstream.com

 

2015年 adobe デジタル広告レポート
  • CTRが改善することで、CPCが安くなる傾向はGoogleでもfacebookでも起きる

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博報堂DYメディアパートナーズのメディアガイド2017 が利用しているデータについて

博報堂DYメディアパートナーズのメディアガイド2017について

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広告に関する概況がテレビ、新聞、ラジオ、雑誌、デジタルとカテゴリがわけられたうえで、紹介されている。 

 かなり網羅的にまとまっており、データ元も書かれていたので、参考までにメモ

 

テレビ

ビデオリサーチが圧倒的に使われている。試聴サンプル数は 600-900程度。

www.excite.co.jp

 

メディア・マーケティングデータ、広告プランニング・効果測定、市場調査ならビデオリサーチ

「メディア定点調査・2016」時系列分析 ~メディア環境の10年変化~ | 博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所

 

ラジオ

https://www.facebook.com/radiko.jp/ ユーザアンケート調査はfacebook上でもとられている。

ラジオ個人聴取率調査 | ビデオリサーチ

 

雑誌

エム・アール・エス広告調査株式会社 | MRS AD Research

www.j-magazine.or.jp

 

デジタル

ニールセンとVideo researchが2017年に業務提携をしている。

www.netratings.co.jp

www.videoi.co.jp

www.jiaa.org

 

各メデイアごとに、長所短所があるが、ビデオリサーチは、日本においては、各メディア毎にリーチをしており、メディアミックスを図る際には重要な期間であることが窺えますね。